message-2011/5/22

5月22日 『イエスに出会う』 マルコによる福音書5章1~20節

5:1 こうして彼らは海の向こう岸、ゲラサ人の地に着いた。
5:2 それから、イエスが舟からあがられるとすぐに、けがれた霊につかれた人が墓場から出てきて、イエスに出会った。
5:3 この人は墓場をすみかとしており、もはやだれも、鎖でさえも彼をつなぎとめて置けなかった。
5:4 彼はたびたび足かせや鎖でつながれたが、鎖を引きちぎり、足かせを砕くので、だれも彼を押えつけることができなかったからである。
5:5 そして、夜昼たえまなく墓場や山で叫びつづけて、石で自分のからだを傷つけていた。
5:6 ところが、この人がイエスを遠くから見て、走り寄って拝し、
5:7 大声で叫んで言った、「いと高き神の子イエスよ、あなたはわたしとなんの係わりがあるのです。神に誓ってお願いします。どうぞ、わたしを苦しめないでください」。
5:8 それは、イエスが、「けがれた霊よ、この人から出て行け」と言われたからである。
5:9 また彼に、「なんという名前か」と尋ねられると、「レギオンと言います。大ぜいなのですから」と答えた。
5:10 そして、自分たちをこの土地から追い出さないようにと、しきりに願いつづけた。
5:11 さて、そこの山の中腹に、豚の大群が飼ってあった。
5:12 霊はイエスに願って言った、「わたしどもを、豚にはいらせてください。その中へ送ってください」。
5:13 イエスがお許しになったので、けがれた霊どもは出て行って、豚の中へはいり込んだ。すると、その群れは二千匹ばかりであったが、がけから海へなだれを打って駆け下り、海の中でおぼれ死んでしまった。
5:14 豚を飼う者たちが逃げ出して、町や村にふれまわったので、人々は何事が起ったのかと見にきた。
5:15 そして、イエスのところにきて、悪霊につかれた人が着物を着て、正気になってすわっており、それがレギオンを宿していた者であるのを見て、恐れた。
5:16 また、それを見た人たちは、悪霊につかれた人の身に起った事と豚のこととを、彼らに話して聞かせた。
5:17 そこで、人々はイエスに、この地方から出て行っていただきたいと、頼みはじめた。
5:18 イエスが舟に乗ろうとされると、悪霊につかれていた人がお供をしたいと願い出た。
5:19 しかし、イエスはお許しにならないで、彼に言われた、「あなたの家族のもとに帰って、主がどんなに大きなことをしてくださったか、またどんなにあわれんでくださったか、それを知らせなさい」。
5:20 そこで、彼は立ち去り、そして自分にイエスがしてくださったことを、ことごとくデカポリスの地方に言いひろめ出したので、人々はみな驚き怪しんだ。

 私たちの日常生活の中で、この聖書記事に登場するような悪霊に憑かれた人に出会うこと、また、自分自身がそのような悪霊の顕著な働きを体験するということはあまりないことと思いますが、この空中を支配している悪の権威、勢力である悪霊とも悪魔ともサタンとも言われている者が存在していることを認めなくてはいけません。なぜなら、私たちの戦うべき相手は、血肉(人間)に対してではなく、この空中を支配している悪の勢力に対するものだからです(エペソ6:10~12)。

 では、今日私たちが、悪の勢力からの影響を受けていることとは何であるかを考える時、悪の勢力は、私たちと神様との関係、また、私たちと隣人との関係を壊す目的で、様々な策略を持って巧妙に働きかけてくることについて、目を覚まして対抗していかなくてはならないと思います。

 その中のひとつのこととして、誰もが体験していることを考えてみましょう。それは、ネガティブ・シンキング(否定的・消極的思考)とポジティブ・シンキング(肯定的・積極的思考)のバランスを崩して、私たちと神様との関係、私たちと隣人との関係を壊そうとする働きです。

 ネガティブは決して悪いことではなく、危機管理と慎重な大人の考え方をしていく上で大切なことですが、そればかりになってしまうと、悪いほう悪いほうに考えて、思い煩いという病(罪)に陥ってしまうでしょう。

 ポジティブは自己啓発訓練や自己実現のためには良いことと考えられていますが、そればかりになってしまうと、危機管理能力に欠けた能天気な向こう見ずで、問題があっても見ない、気にしない、分からないために、間違いや失敗(罪)を繰り返すことが起こってくるでしょう。

 ネガティブな傾向の人もポジティブな傾向の人も、神様との関係、隣人との関係において平和な関係を築いていくことができるのは、只々、イエス・キリストによって、ネガティブとポジティブのバランスを保っていくことではないかと思います。

 ネガティブな傾向の人は、主にあって良く考えて、「じゃあ、どうしたらよいのか…」と危機管理をしながら積極的な方法を見出していくことができるでしょう。

 ポジティブな傾向の人は、行動を起こす前に主にあって、「ちょっと待てよ…」と前後左右、問題点も考えて危機管理をしながら前向きに取り組んでいくことができるでしょう。

 悪の勢力は、巧妙に私たちのこのバランスを崩して、神様との関係、隣人との関係を壊そうとしてくるわけです。そのようなことに対する危機管理はイエス・キリストによって可能です。

 私たちの日常生活の中で体験する悪の勢力からの攻撃に対しては、イエス・キリストによって勝利を得ていく以外にはないのです。

 私たちは、イエスに出会って、また、イエスにあって得ている、悪の勢力に対する勝利の体験を身近な人達に伝えていきましょう。ハレルヤ!